「浮気された方が悪い」は本当なのか?浮気調査スタッフが考える言葉の真相
苦悩の末に浮気調査を依頼される方の多くは、一度は周囲に責められたことがあるようです。
浮気された側が悪い・浮気は夫婦両成敗だと叱責され、困惑と自責の念が入り混じった状態でご相談を受けます。
世間は何故、被害者側を責めるのでしょうか。浮気した方の家族の言い分であれば「身内の肩を持ちたいのだな」と分かるものですが、ご自身の親兄弟から叱責をうけたというお話も少なからず伺っています。
「浮気された方が悪い」
「浮気調査は倫理的でない・恥ずかしい」
こんな意見について考えてみようと思います。
被害者を責める人の心理①他人事だから
浮気された側を責める心理は、ずばりネット上で「犯罪被害者の不注意を責める心理」と同じものです。自分の身に降りかかったことではない、要するに他人事なのです。
浮気調査を恥ずかしいと考えている人についても、同じことが言えます。人が日常生活するなかで、ネガティブな情報について調べまわったり、情報を揃えておく必要はありません。しかし離婚や復縁を目指すのであればそれは別です。法律に頼るのであれば、普段見る説明書や契約書の文面と同じように「浮気のあった証拠」を粛々と揃える必要があります。復縁を目指すのであれば、最初に恋に落ちたときのように相手のことをもっとよく知ろうとするのは自明の理でしょう。
実際に浮気・不倫に遭遇したことのない人は
「浮気の解決方法は離婚届ひとつ」
「仲直りも離婚するときの決め事、気持ちや言葉だけで済む」
と本気で思い込んでいます。浮気という非日常的な危機に対処する際も、日常で行われている様々な営みが必要―そんなことにまで、想像が巡らないのです。
被害者を責める人の心理②因果応報というまやかし
突然ですが、因果応報や輪廻転生を信じていますか?
天罰が下るという考え方や、悪人は人間以外の何かに生まれ変わると古い迷信ですね。
こんな「この世界には行いに対して”公正”な報いがある」という考え方は、実は人間の心理的な思い込み・認識のゆがみだということが分かっています。
100%の頑張りに対して20%しか返ってこないことはありますし、何もしていない人が運と巡り合わせに恵まれて幸せになることもあります。しかし「今日一生懸命がんばっても特に何もない」と宣告されてやる気を出す人はいないでしょう。誠意を尽くして愛しても、明日には浮気されてしまうかもしれない―こんな予感に、人間は耐えられません。
そこで、出来事の良し悪しには理由をつけて、何とか合理的に理解しようとします。
その結果として生じる因果応報というまやかしを「公正世界仮説」と呼びます。
大半の人は公正世界仮説の怪しさに気付けません。「愛し合っていた夫婦のうち一方が浮気している」という事実を聞くと「浮気された側の悪い行動の結果ではないか」という疑問を自分で制御できないのです。これは、浮気調査をご相談いただく方についても同じことが言えます。
自責の念は、はっきりと自覚している浮気の原因がない限り、物事を正しく理解しようとする心のストレス回避機構によるものです。正しく認識するには、まず事実確認と状況分析をする必要があります。浮気調査で事実確認することには、ストレスによる誤認識をなくすという効果もあるのです。
被害者を責める人の心理③妬み・嫉み
浮気される側を責める人の大半は、同性の方です。
女性のご相談者さまであればお母様や実の姉妹から、男性であればお父様やご兄弟から「思いやりのない言葉をかけられた」というお話をよく聞きます。
同性だからこそ結婚生活や恋愛のつらさは分かるはずなのに、なぜ無思慮に責め立てるのでしょうか。それは、被害者を責める人の心理に潜む悪い考えのせいです。
歳を重ねるごとに、私たちには「苦難を乗り越えてきた」という自負が生まれます。
同じように苦難と直面した人に対し、先輩風を吹かせたい―そんな気持ちが起こるのはごく自然なことです。と同時に、自分と相手が対等の立場・あるいは自分の方がポジションが上のときは、容易に苦難を乗り越えられたくないという気持ちも働いてしまいます。
全ては、嫉妬のせいです。自分を越えられたくない・いつまでも自分がオンリーワンの苦労人でありたい。そんな願いが働いています。
同性だと、心身の動きや社会的立場が手にとるように分るだけに、こうした嫉妬が働きやすくなります。
我が子や兄弟姉妹に対しては、
- 長所も短所も隅々まで、家族として理解していること
- 実家を出て別の日常生活を送っているという距離感
の2条件が、嫉妬をさらに大きくしてしまう要因になりがちです。
敬愛して社会的立場のある血縁者があなたのことを責めるとしても、それは必ずしも正しい意見とは言えません。浮気調査により判明する事実と、中立的な立場からの意見を元に判断する必要があります。
周囲の無責任な言葉に惑わされず、まずは相談を
「浮気調査の是非」「浮気の原因がどちらにあるか」との議論は後回しにしたほうがいいと私は考えています。
無責任に浮気された側を責め立てる声には耳を貸さず、まずは思いのたけを私たちに聞かせてください。正しく物事を認識できる専門家として、悩める方々のお力になれるよう日々研修や業務に励んでいます。